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これでわかった!金融商品取引法

これでわかった!金融商品取引法

<運営者の自己紹介>


運営者の自己紹介
金融商品取引法

金融商品取引法は、今年9月に施行予定の法律です。公布はされていますので、内容を確認することはできますが、実際に適用になるのは、9月以降の予定です。金融商品取引法は、昭和23年にできた証券取引法が、改正された法律です。

私は、1992年(平成4年)から、証券取引法を中心にした金融・証券法令のコンプライアンスを担当しています。途中2年近くのブランクがありましたので、証券取引法に関連するコンプライアンスの経験年数で言いますと、今年で14年になります。

証券取引法は、上場会社などが株券や社債券などを発行するときに行う会社情報などの情報の公開ルールや、発行後に継続的に行う会社情報の公開ルールなどの「情報公開のルール」(専門的には、「開示規制」と呼びます。)、株券などの有価証券の取引について、「不公正な取引を排除するためのルール」(「不公正取引規制」と呼びます。)、それに、株券などの有価証券がスムーズに流通するために存在する証券会社という「市場仲介者のルール」(「市場仲介者規制」「業者規制」などと呼びます。)の3つについて規定している法律です。

金融商品取引法は、基本的に、証券取引法の形式を引き継ぎましたが、証券取引法には存在しなかったさまざまな新たなルールが追加された法律です。

証券取引法も膨大な法律でしたが、そこにさらに新しいルールが追加されたのですから、大変です。証券会社、投資顧問業者、金融先物取引業者、抵当証券会社、投資信託委託会社、資産運用会社などの市場の仲介者は、対応を迫られています。

1998年(平成10年)、日本の金融市場を世界に開かれた市場にすることなどを目的に、「日本版ビックバン」と呼ばれた、金融・証券法制の大改革がありましたが、私の経験に基づく感覚では、今回の金融商品取引法の施行は、そのとき以来の金融・証券法制の大改革です。


コンプライアンス

私の仕事、「コンプライアンス」について、少しお話します。

「コンプライアンス」という言葉は、ここ数年でかなり定着してきた感じがします。企業不祥事と呼ばれる事件が起きると、会社は決まって「コンプライアンスを強化します」と宣言するからだと思います。企業不祥事の発生にあわせて、マスコミも、「コンプライアンス」を取り上げる機会が増えています。

マスコミで「コンプライアンス」が紹介されると、これも決まって、コンプライアンスが、「法令遵守」(「ジュンシュ」と読みます。)と紹介されますが、これは正しくありません。

もし、コンプライアンスが法令遵守であるならば、会社が、法令を遵守するのは当然のことですから、コンプライアンスは「当然のことを言っているに過ぎない!」ということになり、会社でコンプライアンスが仕事になることはあり得ません。上場会社ではほとんどの会社が、独立したコンプライアンス部門を持っていることを考えると、コンプライアンスは、「法令遵守ではない!」ということは明らかです。

「コンプライアンス」とは、「会社の従業員や役員が、法令を遵守するための態勢を整備すること」というのが正しい理解です。

コンプライアンスの担当者の具体的な仕事の内容は、従業員や役員が法令を遵守するために、法令に基づく社内規則の作成をしたり、法令や社内規則を従業員や役員に知ってもらうために社内研修を行ったり、従業員や役員が法令や社内規則を遵守していることを確認するために業務のモニタリングを行ったりします。


行政書士

7年前に行政書士の資格試験に合格し、現在、東京都行政書士会に所属しています。私は、コンプライアンス専門の行政書士ですが、行政書士の仕事は、もともと、コンプライアンスの仕事と重なる部分があります。

行政書士の仕事の中心は、顧客を代理して、行政機関に許可や認可、登録の申請を行う許認可業務と呼ばれる仕事です。

例えば、証券会社などの金融商品取引業者や、匿名組合契約の営業者などファンドの事業者は、金融商品取引法で、内閣総理大臣の登録を受けないと事業を続けることができなくなりますが、登録の手続きをすることは、コンプライアンスの仕事の一部であり、登録の手続きを顧客を代理してできる国家資格が、行政書士の資格です。

このようなバックグラウンドをもとに、一人でも多くの方に役立つサイトを作っていきますので、よろしくお願いします。

川崎善徳

(行政書士、日本証券アナリスト協会検定会員)



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